気象研究ノート第208号「メソ対流系」

メソ対流系とは、水平スケール100kmのオーダーの対流性領域と層状性領域を 持つ降水システムのことです。
 本書には、1999年から2003年にかけて行われた特別野外観測のデータと、雲解 像モデルの結果を組み合わせて得られたメソ対流系の最新の話題をまとめてあり ます。豪雨・豪雪の発生・発達・維持等のメカニズムを理解するには大いに役立 つ本だと思います。
 本書は2部構成になっており、第Ⅰ部では、梅雨前線帯の降水系に関する話題 として、九州で観測されたメソ対流系の発生・発達・維持機構をまとめてありま す。第Ⅱ部では、冬季日本海で見られる降雪系に関する話題として、日本海寒帯 気団収束帯(JPCZ)及びポーラーローに関する観測及び数値実験の結果をまとめてあります。
 本書を豪雨・豪雪をもたらすメソ対流系について関心をお持ちの多くに方に読 んでいただき、日本におけるメソ気象の研究をさらに発展させていただきたいと思います。

【編集】吉崎正憲、村上正隆、加藤輝之
386ページ、2005年7月29日発行
【価格】会員:4,100円、会員外:6,100円
(気象研究ノート編集委員会)