気象研究ノート第216号 「2005/06年 日本の寒冬・豪雪」

 2005/06年の冬は12月を中心とした記録的な低温と、各地での記録的な大雪によって、強く印象に残る冬となりました。各地で大雪に伴う災害が多発し、近年の暖冬傾向に慣れた体に、冬の厳しさを改めて実感された方も多いことでしょう。 「38豪雪」や「56豪雪」と呼ばれるような、記憶に残る冬を思い起こされた方もいるかもしれません。本書は2005/06年の冬の寒冬・豪雪の実態とそれをもたらした要因及びその予測可能性について、観測的事実、データ解析、数値実験など さまざまな角度から調べられた最新の知見をまとめたものです。

【目次】

  • 第I部 2005/06年冬の大気と海洋の概況
    • 第1章 日本の天候の特徴
    • 第2章 大気大循環場の特徴
  • 第II部 平成18年豪雪
    • 第3章 平成18年豪雪の被害第4章 平成18年豪雪時の積雪構造の特徴
    • 第5章 平成18年豪雪における降雪分布の特徴
    • 第6章 雪雲の発達高度からみた2005年12月の豪雪 ~環境場からみた潜在的発達高度と数値実験の結果から~
    • 第7章 豪雪研究の経緯と今後の課題
  • 第III部 寒冬をもたらした要因
    • 第8章 2005年12月の熱帯対流活動と日本付近の異常低温
    • 第9章 平成18年豪雪と冬季東アジアモンスーン変動
    • 第10章 2005年12月の日本の寒さにかかわるシベリア高気圧とアリューシャ ン・アイスランド低気圧シーソー
    • 第11章 2005/06年冬季の爆弾低気圧の特徴
    • 第12章 熱帯西部太平洋の2005/06年冬季の多雨をもたらした対流活動
    • 第13章 2006年1月の成層圏突然昇温期間中の対流圏循環偏差場の特徴
    • 第14章 2005/06年冬季成層圏突然昇温と予測可能性
    • 第15章 熱源・水蒸気源からみた2005年12月の日本海・オホーツク海とWP パターンとの関連性
    • 第16章 対馬暖流と冬季降水量の関係
    • 第17章 2005/2006年冬期における北太平洋中緯度域の海洋混合層変動について
    • 第18章 冬季東アジアモンスーンと熱帯SSTとの関連について
    • 第19章 2005年の北極海における海氷減少の特徴
    • 第20章 冬季日本の寒さにかかわる北極海の海氷面積異常
  • 第IV部 寒冬・豪雪の長期予報及び予測可能性
    • 第21章 2005年12月の偏西風異常とその1か月アンサンブル数値予報
    • 第22章 2005年12月の「北極振動」の励起と予測可能性
    • 第23章 順圧大気大循環モデルによる北極振動指数の予測
    • 第24章 20km格子全球大気モデルによる冬季東アジアモンスーンの再現性
    • 第25章 全球大気モデルを用いた2005年12月の予報における初期値及び下 部境界条件依存性
    • 第26章 マルチセンターグランドアンサンブルでみる2005/2006年の冬
編集 本田 明治、楠 昌司
    286ページ、2007年12月3日発行
価格 会員:3,600円、会員外:5,300円

気象研究ノート編集委員会