日本気象学会1996年度総会議事録

場   所:

 大宮ソニックシティー小ホール(大宮市桜木町 1-7-5)

日   時:

 1996年5月22日15時30分〜16時40分

参加者数 :

 会場出席234名,委任状もしくは書面による出席764名,出席合計998名 《総会成立の要件: 通常会員(1996年5月21日現在4,075名)の5分の1(815名)以          上の出席が必要であり,このうち,委任状および書面によらない出          席者は通常会員の25分の1(163名)以上が必要(定款第38条).》

議   事:

1.開 会

  大西晴夫庶務担当理事から総会成立の要件を満たしたことが報告され,総会の開会  が宣言された.

2.議長選出

  総会議長への立候補者がなかったため,慣例により大会委員長の木村龍治会員(東  京大学海洋研究所)を満場の拍手で議長に選出した.

3.理事長挨拶

  松野太郎理事長から大会開催担当機関である東京大学海洋研究所を始めとする関係  者への謝意が述べられた.ここ数年をかけて気象学会理事会などで議論されてきた問  題のなかから,特に,多方面な議論を行ううえで不十分であるとされてきた春季・秋  季大会講演会の改革案がまとまり,本大会中に予定されている一般会員の意見を聞く  会での議論の結果も踏まえながら,つくば市での開催が予定されている1997年度  の春季大会から実施に移す予定であることが報告された.   また,気象学会員以外からの大会講演申し込みが増加していることに関連して,大  会講演は自分の研究成果を広く知ってもらうという利益があることと同時に,社会的  に切磋琢磨して間違いのない方向で研究を行い,それを次の世代に引き継いでいくた  めにも,関連分野でどのような研究が現在進められているかについて広範な人たちか  ら研究の最先端の話しを聞けることが気象学会員にとっても利益になるとの視点が大  切であることが強調され,学会員以外からの大会講演を歓迎する意向が述べられた.

4.1996年度日本気象学会賞授与

  学会賞候補者推薦委員会担当の廣田勇理事が選定理由を報告.松野太郎理事長から  受賞者に賞状ならびに賞金・メダルが授与された.   本年度の受賞者と,その受賞対象となった研究は以下のとおり.   小寺邦彦会員(気象研究所気候研究部)    「太陽活動と中層大気の力学過程との関係に関する研究」   上田 博会員(北海道大学大学院理学研究科)    「ドップラーレーダーによるメソ擾乱の発達機構に関する研究」

5.1996年度藤原賞授与

  藤原賞候補者推薦委員会担当の小倉義光理事が選定理由を報告.松野太郎理事長か  ら受賞者に賞状ならびに賞金・メダルが授与された.   受賞者と受賞対象業績は以下のとおり.   光田 寧会員(京都大学防災研究所)    「日中共同研究HEIFEでの指導的役割を通じて乾燥地帯における地空相互作     用の研究を推進した業績」   笠原 彰会員(米国国立大気科学研究センター)    「数値予報ならびに大気大循環に関する研究」

6.1995年度事業経過報告

  大西晴夫庶務担当理事から,会員の増加により初めて通常会員が4,000名を超えた  こと,機関誌の刊行状況,文部省科学研究費補助金(研究成果公開B)を活用したも  のを含む講演会・研究会の開催状況,支部活動の状況,国際学術交流事業の現状,文  部省学術情報センターの資源提供による電子図書館およびインターネット上のホーム  ページ開設の現況などに関する報告が行われた.

7.1995年度会計決算報告

  斉藤三行会計担当理事から次のように報告された.公益事業で150万円の赤字,収  益事業で350万円の黒字となり,全体として約200万円の黒字であった.これには経常  的には見込めない受託業務関係の黒字の約240万円が含まれており,これを除けば実  質赤字とみることができる.今後も支出を精査し,節約していきたい.

8.1995年度監査報告

  岩崎俊樹監事から,4月15日に行われた監査の結果が報告された.帳簿類の記載お  よび収支計算書は正確であったこと,会費の収入状況は事務局の努力で未収金も少な  く良好であること,多様な分野からの会員増が著しいことに対応する学会誌の内容に  対する工夫が必要であることなどが指摘され,気象研究ノートの発行数を増やす努力  が求められた.   引き続き,事業経過報告,会計決算報告,監査報告について議長が質疑・意見を求  めたが特段の発言はなく,採決の結果,賛成多数で了承された.

9.第29期役員選任

  松野太郎理事長から,本年3月に開票された通常会員による選挙で当選した理事候  補者22名と監事候補者2名のうち,1名の理事候補者から地区外への異動を理由に当  選辞退があったことの報告があり,辞退者を除く理事候補者21名および監事候補者2  名の役員選任を満場の拍手で承認した.   つづいて,当選理事候補者から理事長に対して推薦のあった6名の理事候補者につ  いて松野理事長から推薦理由の説明があった.これについて特段の質問などはなく,  採決の結果,賛成多数で推薦理事候補者全員の理事への選任について承認した.

10.1996年度事業計画案審議

  大西晴夫庶務担当理事から,総会資料に基づいて提案が行われた.通常の機関誌類  の発行を予定していること,従来の委員会活動に加えて,電子媒体の利用についてそ  の運営や企画にあたる委員会を新設したいこと,支部活動の一環として東京のほか,  北海道,関西,中部地区で夏季大学を予定していること,文部省科学研究費補助金を  活用して九州および沖縄支部が気象講演会を予定していることなどが提案された.ま  た,4期8年間勤務した伊藤嘉一事務局長の退任に伴い,島津成之氏を事務局長とし  たこと,新たに事務局員として舘英男氏を採用したことが報告された.

11.1996年度予算案審議

  斉藤三行会計担当理事から,総会資料に基づいて提案が行われた.会費収入は順調  な増加が見込まれるが,気象研究ノートは発行数増が予定されているものの必ずしも  収入増にはつながらない.消費税の5%への引き上げの動向,預金利息の低迷,大会  経費の増加,郵送費や印刷費の増が不安材料である.1996年度も節約に努めたい.ま  た,今年度の動向を見つつ,1997年度予算について検討したい.   引き続き,事業計画案および予算案について質疑・討論が行われ,特段の質問など  がなかったために直ちに採決を行い,両案とも原案どおり採択された.

12.議長解任

  木村龍治議長から総会の議事運営に関する出席者の協力に感謝する挨拶があったの  ち,議長は解任された.

13.閉 会

  大西晴夫庶務担当理事が総会を閉会とする宣言を行った.


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