日本気象学会2000年度総会議事録

場所

 つくば国際会議場 大ホール

日時

 2000年5月25日(木) 13:30〜15:00

参加者数

 総会参加票による出席者2,918名,うち会場出席者117名
【総会成立の要件:通常会員現在総数(2000年5月25日現在3,970名)の過半数以上の出席がなければ成立しない.ただし,総会に出席できない通常会員で,当該議事につき他の出席通常会員に表決を委任した者,および書面によって決議に参加した者は出席とみなす.(定款第38条)】

議事

  1. 開会

    中村誠臣庶務担当常任理事より総会成立の要件を満たしていることが報告され、総会の開会が宣言された。

  2. 議長選出

    総会議長に大会実行委員長の近藤洋輝会員(気象研究所気候研究部長)を選出した。

  3. 理事長挨拶

    廣田勇理事長から、今大会開催担当機関である気象研究所をはじめとする関係者に対する謝辞が述べられ、続けて会員に対して挨拶が行われた。概要は以下の通り。

    今大会には、すでに600名近くの多数の会員が参加しており、各会場では活発な研究発表と議論が行われている。大会の準備と運営にご協力いただいた大会委員長をはじめとする関係者の皆さんに理事会を代表してお礼を申し上げたい。
    ここで、会員の皆さんにニつのことをお話したい。一つは、学会の運営についてである。昨年の定款の改訂で、総会の成立のためには、書面による参加を含む通常会員の過半数以上の参加が必要となった。理事会では、総会成立に向けて様々な対策を取ってきたが、最終的に約3/4の会員から総会参加状が回収できた。これまで、総会成立に向けてご努力いただいた木田理事をはじめとする皆さんにお礼を申し上げたい。今回の定款の改訂は、学会が一部の人達のものではないということを認識するのによい機会になったのではないかと思う。今後も、すべての会員の皆さんが学会の運営に関心を持っていただくとともに、その運営にご協力いただきたい。
    もう一つは、学会の社会との関わりということについてである。学会の活動は研究だけではない。昨年の評議員会で環境問題が主な話題となった。現在、地球温暖化などの環境問題が重要な社会問題となっており、一般への普及活動をはじめとして気象学会が環境問題に如何に関わっていくべきかといった議論が行われた。それを受けて、田中浩理事を中心とした検討会を作り、環境問題について学会のあり方も含めて検討してきた。今大会のシンポジウムでも気候変化・地球温暖化がテーマとして取り上げられたが、その中での話からもわかるように幅広い問題を含んでいる。まず、学問としての気象学をしっかり行い、その結果を社会に伝える責任がある。

  4. 学会賞授与

    学会賞候補者推薦委員会担当の新野宏理事が選定理由を説明し、廣田勇理事長から受賞者に賞状ならびに賞金・メダルが授与された。本年の受賞者と、受賞対象となった研究は以下の通り。

    斎藤和雄会員(気象研究所予報研究部)
    「メソスケール現象の数値実験および予測に使用される非静力学モデルの開発と数値実験による研究」

  5. 藤原賞授与

    藤原賞候補者推薦委員会担当の関口理郎常任理事が選定理由を説明し、廣田勇理事長から受賞者に賞状ならびに賞金・メダルが授与された。本年の受賞者と、受賞対象となった研究は以下の通り。

    菊地勝弘(秋田県立大学生物資源科学部)
    「極域における雲物理学研究およびレーダー観測の確立への貢献」
    佐々木嘉和(オクラホマ大学ジョージ・リン・クロス名誉教授)
    「メソ気象分野における研究推進と研究者育成」

  6. 1999年度事業報告

    中村誠臣庶務担当常任理事から、総会資料に基づき,事業報告が行われた。
    引き続き、事業報告について賛成多数で承認された。

  7. 1999年度会計報告

    上窪哲郎会計担当常任理事から,総会資料に基づき,会計報告が行われた。
    会員から,「気象学会はボランティアで運営されているものであり,この活動について税金をとられるというのは理解できない,税金を払わなくて済む方法があるのではないのか」という問題提起があった。これについては、難しいと考えるが、節税する方法がないか等,学会担当会計士とも相談しながら検討課題としたいという回答がなされた。
    引き続き、会計報告について賛成多数で承認された。

  8. 1999年度監査報告

    中村一監事から,総会資料に基づき,監査の結果が報告された。
    引き続き、監査報告について賛成多数で承認された。

  9. 第31期役員選任について

    廣田勇理事長より,役員候補者選挙において役員候補者22名が当選したことが報告された。また,理事の辞任に伴い後任として理事会から推薦のあった理事候補者,および理事候補者選挙当選者による推薦理事候補者5名の紹介が行われた。
    これらの候補者全員について理事への選出が承認された。

  10. 2000年度事業計画

    中村誠臣庶務担当常任理事から、総会資料に基づき,事業計画の提案が行われた。
    引き続き、事業計画は賛成多数で承認された。

  11. 2000年度収支予算

    上窪哲郎会計担当常任理事から,総会資料に基づき予算案の提案が行われた。予算案について会員から,「はじめから赤字を見込んで予算が組んであるが,問題は無いか」という指摘があった。この質問について,ここ数年そのようにしており結果的には黒字となっていること、予算に計上されている赤字額は繰越金からすると額が小さいことなどから特段問題はないと考えているという解答がなされた。
    質疑応答に引き続き、収支予算案は賛成多数で承認された。

  12. 議事録署名人の指名

    議事録署名人に榊原均会員(気象研究所台風研究部)、北畠尚子会員(同)を指名したところ、異議なく承認された。

  13. 議長解任

    近藤洋輝議長により総会参加票による各議案ごとの賛否の集計結果の発表がなされるとともに,全議案が承認されたことが報告された。続いて,総会の議事運営に関する出席者の協力に感謝する旨挨拶があった後,議長は解任された。

  14. 閉会

    中村誠臣庶務担当常任理事により総会の閉会宣言が行われた。


日本気象学会ホームページへ