第31期第2回評議員会議事録

日 時

 2002年3月25日(月)1時〜4時

会 場

 気象庁予報部会議室(気象庁4階)

出席者(敬称略)

(評議員)江守正多:国立環境研究所、大矢正克:福岡管区気象台予報課、郷田治稔:気象庁数値予報課、三枝信子:産業技術総合研究所、徐健青:地球フロンティア、坪田幸政:慶應高校、中村尚:東京大学大学院理学系研究科、檜山哲哉:名古屋大学地球水循環研究センター、向川均:北大大学院地球環境科学研究科、以上9名
(名誉会員)小倉義光、竹内清秀、以上2名
(理事)廣田、二宮、岩嶋、勝山、神沢、木田、近藤、澤井、竹村、田中(浩)、田中(博)、中澤、新野、平木、藤部、藤吉、萬納寺、宮原、山内、以上19名
(その他の出席者)永田(監事)、徳野(監事)、舘(事務局)、以上3名、合計33名

議事

 前回の評議員会(2001年3月)において提起された学会運営に関する諸問題について、関連する委員会からの回答文書をもとにして、以下のように議論を行なった。

  1. 天気の記事内容、天気・集誌の電子ジャーナル化
     担当理事から、集誌は受理したらすぐに印刷するが、時間がかかっている査読を早くしたいとの補足説明があった。冗長な論文は査読に時間がかかるのでNoteを充実してはどうかとの提案があった。

  2. 2.春季・秋季の大会のありかた
     大会の土曜開催は教師向けの特別版ではなく、教師も最先端の発表を聞けるようにするためという考えで行なって欲しいとの要望があった。
     会期延長に関して次のようなコメント・要望があった。講演数が多くなっている背景には大学院重点化による院生の増加があるのではないか;学会発表の適切なレベルを保つことが必要である。また、今後ますます発表が増加していった場合には会期を伸ばすのではなく、発表の数を制限して良質な議論を少ない会場で行なうようにして欲しい;4日、3会場が限度ではないか。
     理事からは次のようなコメントがあった。数と質の問題は20年前にも提起された問題であり、将来も大問題であろう。去年の評議員会でも大会での発表が論文になるくらいのレベルにしてはどうかという提案があった。春季大会の4日開催は当面、現実的な対応であろう。

  3. 教育と普及
     担当理事から次のような補足説明があった。初等中等教育の次回の指導要領の改訂では作業中の段階から学会の名前で要望を出したい。身近な気象から親しみを持ってもらうのか、物理化学の基礎をきちんと勉強してもらうのか、のさらなる議論が必要である。また、教材に関してはホームページは作ったあとの運営が問題となるので、担当の中に先生が入って欲しい。
     教材に関して次のような提案があった。インターネット時代の副読本・教材作成には衛星の動画、防災・環境に結び付けるなどすれば良い題材ができるのではないか。紙では表現できないものをWebに載せてその一部を天気に載せる、という方法で普及を図れるのではないか。
     普及と「天気」に関連して次のような提案があった。ページは増えても良いので、「天気」をわかりやすく、面白くしてもっと読んでもらえるようにすると良い。一般には学会に入りにくい感じがするが、まず「天気」を読んでもらえば学会に入りやすくなるのではないか。「天気」をやさしくしても、中学生・高校生には難しい。裾野を広げるために「天気」と別に大胆にやさしい広報普及誌を作れないものか。

  4. 気象学研究に対する評価、表彰
     次のような提案があった。気象データの管理というような仕事はデータ交換の拡大に貢献するので、評価してもらえないか。現在ある賞のほかに特別賞があっても良い。理事からは、賞はもらった人がうれしいだけでなく、学会への信頼を高める、とのコメントがあった。

  5. データ公開の問題
     気象庁の格子点データを通信の費用を分担して使いたいかというアンケートに対して、大学27件、他に11件合計38件が使いたいという回答を寄せてきたことが報告された。次のような要望、コメントがあった。データの性質を知らないで誤って使われないように、データの説明などが必要である。ユーザーの意見集約は学会でやって欲しい。理事からは、データ公開の第1歩を踏み出し、学会の責任を果たした、とのコメントがあった。

  6. 地球環境問題
     基本的に正確な知識を伝えるだけなら中立でいられるが、社会に向けて公表するとどう対処すればいいか、と聞かれることがある;このためいつまでも中立ではいられないだろうとのコメントがあった。

  7. 総会および学会運営
     気象学会会員はみな平等という精神を尊重して総会の2分の1条項などの問題を解決できないか、出版物の電子ジャーナル化に伴う会員の位置づけ、などの問題意識を持っているとの報告が担当理事からあった。

  8. まとめ
     最後に理事長から、第31期評議員の諸氏に対する謝辞とともに、今後も様々な形で学会活動に積極的に関与されることを期待する旨の発言があった。

備考

各委員会から評議員会への回答は天気6月号に詳しく掲載される予定であるので、そちらを参考にしていただきたい。


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