夏季大学

夏季大学

日本気象学会では、最新の気象学の知識の普及を目的として、学生・大学院生、小・中・高等学校の教諭、気象予報士及び気象に興味を持っている一般の方々を対象に、毎年夏休みの時期にやや専門性の高い講座である「夏季大学」を開講しています。夏季大学は著名な講師の方々による講義が中心です。大学の期末試験のようなテストを行うことはありませんが、年によってはクイズ形式の問いかけを行うことがあります。

新型コロナウィルス感染拡大防止ため、2021年の夏季大学は会場での開催は行わず、オンラインで開催することといたしました。開催日時は8月21日~22日です。どうぞ奮ってご参加ください。


第55回夏季大学

テーマ:海洋と日本の気象・気候~観測から予測まで~

日時:2021年8月21日(土)10:00~12:20、22日(日)10:00~17:00
開催形態:オンライン開催
主催:日本気象学会 教育と普及委員会
後援:気象庁、日本地学教育学会、気象業務支援センター、日本気象予報士会
定員:450名
参加費用:1000円
参加費用のお振込み:郵便振替かオンライン決済(クレジット決済等)でのお振込みとなります。
 ・郵便振替には振替手数料がかかる場合がございます。
 ・オンライン決済にはPayPalを利用します。
   ※PayPalの利用方法に関するお問合せ及び誤操作による補償には応じかねますので、予めご了承ください。
 ・お振込み方法の詳細は、参加登録後、自動返信メールでご連絡いたします。
申し込み:受付は終了しました(8/13)

夏季大学2021


■ 趣旨
今回の夏季大学のテーマは「海洋」です。海洋は、地球の表面積の7割を占め、隣接する大気を介して、気候だけでなく、豪雨豪雪や猛暑などの極端な気象の発生にも様々な影響を与えています。さらに、海洋も大気からの影響を受けており(相互作用)、海洋も大気もそれぞれ循環していることで、時々刻々と水温や海流を変化させています。また、近年の地球温暖化の進行に伴う海洋の変化は、気象や気候への影響を変えつつあり、気候危機の一因です。気象や将来の気候を予測するには大気と海洋の両方を知る必要があるのです。海洋循環と大気海洋相互作用は複雑かつ多様で、長年にわたる研究にもかかわらず未解明な点が多く残されています。これまでに分かってきた海洋と気象・気候との関係についての研究を学び、さらに最新のトピックについて知ることは、これからの海と大気のことを知るきっかけになるでしょう。このような背景から、今回の夏季大学では「海洋」と「気象・気候」をキーワードにして、最先端の科学的知見を観測やモデルなどの幅広い観点から、専門家の皆様に講義を行っていただく企画としました。

■ オンライン講義プログラム
※講義題目、講義日程は変更となる場合があります。
※講演題目のリンクから予稿をダウンロードできます。
◇8月21日(土)10:00~12:20

  • 10:00~10:10 開講挨拶、概要説明
  • 10:10~11:10 「海洋の長期観測による「海洋の健康診断」」 中野俊也(気象庁)
    • 地球温暖化や気候変動といった地球環境の長期的な変化を把握し、より確かな将来予測には、観測データに基づく海洋環境の変化を理解することが鍵です。本講義では、気象庁等が行っている国際的な海洋観測システムの概要を紹介し、近年明らかになってきた日本周辺から世界の海で起こっている変化について解説します。
  • 11:20~12:20 「数値季節予測システムの開発と利用」 平原翔二(気象庁)
    • みなさんが受け取る季節予報は、大気だけでなく海の中の動きまで計算できる数値シミュレーションに基づいて作られています。本講義では、どのように「今」の観測が形を変えて、みなさまの手元に届く「未来」の情報へと変化していくのかを、気象庁や世界の気象機関の最新の開発状況も交えながら、ご紹介させていただきます。

◇8月22日(日)10:00~17:00

  • 10:00~11:00 「熱帯や極域の国際プロジェクトにおける船舶観測」 米山邦夫(海洋研究開発機構)
    • 世界中の気象・気候に影響を与える現象の1つとして注目されているインド洋から太平洋にかけての赤道上で顕著な巨大雲群を伴うマッデン・ジュリアン振動や、地球温暖化の影響が顕著に表れている北極海の気候変動。これらの実態を知るために、しばしば複数の国・機関の研究者が集まり、集中観測を国際プロジェクトとして行います。そこで活躍する船舶。船はどこでも現象の発生している海域に行くことができる?いえいえ、実はなかなか思い通りにならないのです。日頃聞くことのない研究成果の裏側にある観測実現のための活動や、船舶観測だからこそ明らかになった現象のメカニズムなど、船舶観測の表と裏を紹介します。
  • 11:10~12:10 「中緯度の海洋と大気の相互作用」 野中正見(海洋研究開発機構)
    • 熱帯域で海洋と大気が互いに密接に関係しながら変動していることは良く知られているが、日本周辺などの中緯度域においても海洋の構造や変動が大気の構造や変動と密接に関係することが近年明らかにされて来ている。中緯度の海洋のどのような構造や変動が大気にどのような影響を及ぼすのか、その概要をご紹介します。
  • 13:00~14:00 「海が流れる方向はどう決まる?太平洋と日本付近の海洋循環」 木田新一郎(九州大学)
    • 海は大気と接する海面で暖められ、冷やされ、かき混ぜられながら、風によって西から東、北から南へと動いています。しかし風が強いところが海流の強いところ、というわけではありません。例えば夏、日本周辺の風が弱くなっても、黒潮は南から粛々と流れてきます。そして日本海へと流れこむ対馬海流は夏から秋にかけて一番強くなります。この講義では、日本海、オホーツク海、東シナ海、太平洋、と流れの仕組みが全く違う海に囲まれている日本付近の海洋循環と海面水温について紹介します。
  • 14:10~15:10 「台風:空と海とのあいだには」 伊藤耕介(琉球大学)
    • 海は、台風にとって、母のような存在である。暖かい海の上で、揺りかごに揺られるようにして台風はゆっくりと卵からかえり、甘やかしも度が過ぎると、凶暴な台風へと急発達を遂げる。しかし、台風が強くなりすぎると、親の貫禄を見せるがごとく、今度は必死で台風の強さを抑え込もうとする。この講義では、海面水温だけじゃない、親(海)と子(台風)の深い絆についてお話したいと思います。
  • 15:20~16:20 「異常気象,実は海が決めていた!? ~鍵を握るは日本の海を測ること~」 立花義裕(三重大学)
    • 四方を海に囲まれた日本。その鮮明な四季は極めて特徴的な日本の気候を形成しています。冬の豪雪や梅雨期の豪雨に代表されるような激しい気象や希に発生する冷夏がその特徴の一つです。海洋上の大気海洋観測は重要なのです。しかし海洋上の観測は陸上に比して圧倒的に少ないです。講義では日本周囲の海洋観測から解明された研究成果を交えて、海の重要性を語ります。
  • 16:30~16:55 学習到達度試験 平松信昭・南利幸(教育と普及委員会)
  • 16:55~17:00 閉講挨拶

オンライン講義受講方法
オンライン講義はZoomウェビナーを利用します。受講にはZoomウェビナーを利用可能な環境が必要となりますので、事前の準備をお願いします。開催アドレスは参加登録いただいた方に個別にご連絡いたします。

■ 学会イベントのご案内
8月21日午後に、日本気象学会関西支部より以下のオンライン講演会が予定されています。本イベントと同時受講可能ですので、ご興味のある方は、ぜひあわせてご参加ください。
・第42回夏季大学「台風~基礎知識から最新観測・予測研究まで~」
・日時:2021年8月21日(土)14:15~17:45
・開催形式:Zoomによるオンライン開催
・ホームページ(プログラム、申込み):http://kansai.metsoc.jp/summer/kaki21.html


過去の夏季大学の様子



■ これまで(第40回以降)の夏季大学のテーマ
第55回 2021年8月21・22日 海洋と日本の気象・気候~観測から予測まで~
第54回 2020年8月22・23日 雲の科学
第53回 2019年8月3・4日 降雪・積雪予測と雪氷防災の最前線
第52回 2018年8月4・5日 浸水・洪水予測と気象防災の最前線
第51回 2017年7月29・30日 新世代の衛星が切り開く新しい気象の世界
第50回 2016年7月30・31日 エルニーニョ現象と異常気象
第49回 2015年8月1・2日 地球温暖化入門
第48回 2014年8月2・3日 ザ・竜巻
第47回 2013年7月27・28日 台風学の最前線
第46回 2012年8月5・6日 北極温暖化と異常気象
第45回 2011年8月6・7日 気象観測技術の最前線(2)
第44回 2010年8月7・8日 気象観測技術の最前線
第43回 2009年8月1・2日 顕著現象の解析
第42回 2008年8月2・3日 気象のシミュレーションⅢ
第41回 2007年8月4・5日 気象のシミュレーションⅡ
第40回 2006年8月5・6日 気象のシミュレーション
過去の夏季大学 開催一覧(PDF)