第15回航空気象研究会

第15回航空気象研究会開催のお知らせおよびオンライン開催への変更のお知らせ


航空機の運航に影響を及ぼす気象の観測,予報,情報提供などについて,気象学会レベルで広く交流し研究を促進するため,2006年3月に日本気象学会の研究会の1つとして「航空気象研究連絡会」が設置されました.
今般,同連絡会主催による第15回航空気象研究会は,新型コロナウイルス感染拡大防止のため,下記の通りZoomウェビナーを利用したオンライン開催に変更し,参加人数を100名(発表者を含む)に制限させていただくこととなりました.多くの皆さまにご参加いただきたかったのですが,都合により人数制限となりましたこと,深くお詫び申し上げます.
なお,「天気」12月号でお知らせした発表予定順は,下記の発表題目のとおり変更となりましたので,ご留意願います.

日  時:2021年2月5日(金) 13時30分~16時30分
開催方法:オンライン開催(Zoomウェビナー利用)
参加人数:先着100名(発表者を含む)
申込締切: 2021年2月1日(月)
申込方法:下記申込み先アドレス宛てにEメールにて,件名を「第15回航空気象研究会申込み」とし,本文に「氏名」,「所属」を記載の上送付してください.
 ・件  名: 第15回航空気象研究会申込み
 ・記載事項: 「氏名」,「所属」
 ・申込み先: 航空気象研究連絡会事務局メール(metsoc_avi@outlook.com)
       ※@は全角で表記していますので,半角に変換の上ご連絡ください.
参加方法: 研究会へ参加対象になった方へ,後日,参加の仕方・注意事項等について記載した「参加用URLのご案内」のメールを送付いたしますので,そちらを確認の上ご参加ください.

【特別講演および研究発表題目】
1.特別講演
  先進の気象観測技術導入による効果について
   -ドップラーレーダーとドップラーライダーの観測成果から-

吉野勝美

我が国の航空気象分野では,ドップラーレーダーによるリアルタイムLLWSの検出と警報の発出,水蒸気CHの放射計を搭載した気象衛星の観測による火山灰の検出とVAAの発出,ドップラーライダーによる非降水時の空港周辺の微細な流れの監視とLLWSの検出等々,世界的にも先端技術を早期に導入し運用してきました.これによって,激しい対流現象や前線の通過時のLLWSの実態を詳細に理解することができました.また,ドップラーライダーによって以前航空界で認識されなかった大気境界層の組織的な流れの構造を捉えることができつつあります.このような知見を運航者側で理解することによって,事故やインシデントを未然に防止するための運航判断に寄与できており,また更なる導入効果が期待されます.

2.次世代ウィンドプロファイラの実用化に向けたアダプティブクラッタ抑圧の実証評価

山本真之(情報通信研究機構),西村耕司(極地研究所)
川村誠治(情報通信研究機構),今井克之,斎藤浩二,山口博史(住友電設)

ウィンドプロファイラ(WPR)は,晴天域における風速の高度プロファイルを優れた時間・高度分解能で測定できる.しかし,WPRには,不要エコー(クラッタ)が受信信号に混入すると,風速測定データの品質が低下する問題がある.アダプティブクラッタ抑圧(ACS)は,複数のサブアレイアンテナ(サブアレイ)と適用信号処理を用いて受信アンテナのビームパターンを動的に制御することにより,クラッタを低減する技術である.情報通信研究機構が有する1.3GHz帯WPR(通称LQ-13)に,主アンテナを構成する13台のサブアレイとクラッタのみを検出するクラッタ抑圧用サブアレイを用いたACS機能が付加された.また,気象庁の協力のもと,クラッタ抑圧用サブアレイを気象庁WINDAS用1.3GHz帯WPRに付加したACSの実証実験が実施されている.発表では,LQ-13及び気象庁WINDAS用1.3GHz帯WPRを用いたACSの実証評価につき,報告する.

3.ドローンによる低層雲の観測

菅原広史(防衛大学校地球海洋学科),河野貴行(防衛省航空自衛隊)

ドローンは強力な観測プラットフォームになりつつあるが,現在の法規制下ではオペレーターが目視できる範囲での飛行が安全上の原則となっている.このため,雲中の計測は困難である.しかしながら,例えば沿岸部の飛行場に海から進入してくる霧・低層雲など,ドローンが活躍できそうな雲の計測のニーズは多々ある.今回は安全性を確保したうえでドローンによる低層雲の計測を行った事例を報告する.

4.二重偏波レーダーの降水粒子判別結果から考察するダウンバースト発生前兆

梅原章仁(気象研究所),南雲信宏,山内洋(気象庁大気海洋部)

今般,現業用二重偏波レーダーが全国に展開されつつある.二重偏波レーダーにより,積乱雲内部に分布する降水粒子の判別が可能となることから,突風危険指数に用いられるレーダーエコー指数の高度化,あるいはそれに代わる新たな指数の開発が期待されている.
特に,航空機安全運航に影響し得るダウンバーストについては,二重偏波レーダーを用いた先行研究から雹のローディングが励起に重要なことが示されつつあり,降水粒子判別結果を用いることで,前兆を把握できる可能性がある.
本発表では,ダウンバーストの前兆把握に資する指数開発を見据え,二重偏波レーダーによる降水粒子判別手法を用いてダウンバースト発生前後における降水粒子の時空間変化特性を考察する.


問い合わせ先:航空気象研究連絡会事務局(metsoc_avi@outlook.com)
※@は全角で表記していますので,半角に変換の上ご連絡ください.