夏季大学2016

第50回夏季大学

テーマ:エルニーニョ現象と異常気象

日時:2016年7月30日(土)~31日(日)
場所:気象庁講堂(東京都千代田区大手町1-3-4)
定員:100名程度
参加費用:一般5000円 学生3000円


講義内容と時間割

今回のテーマは「エルニーニョ現象と異常気象」です。エルニーニョ現象は、年~数年の時間スケールの気候変動の中では地球上で最も卓越した変動で、世界の天候にも大きな影響を与えます。また、2015年から2016年にかけて大きく発達したエルニーニョ現象は、1997年以降では非常に大規模になりました。このような背景から、今回の夏季大学では「エルニーニョ現象」をキーワードとして、理論・観測・数値シミュレーションにより明らかとなってきたエルニーニョ現象のメカニズム、気候変動や社会経済活動に与える影響等の幅広い内容について、専門家の皆様に講義を行なっていただく内容に致しました。

※講義の題名は変更となる場合があります。

■ 7月30日(土)

09:40~09:45 開講挨拶

09:45~10:00 講師と夏季大学の概要紹介

10:00~11:00 エルニーニョ現象とは(総論) 前田修平(気象庁気象研究所)
エルニーニョ現象は、年~数年の時間スケールの気候変動の中では地球上で最も卓越した変動で、世界の天候にも大きな影響を与えます。本講義では、エルニーニョ現象とその影響について、メカニズムを含めて概要を説明します。

11:00~12:00 エルニーニョ現象と地球温暖化 渡部雅浩(東京大学大気海洋研究所)
2014年から翌年にかけて大きく発達したエルニーニョは、1997年以来の非常に強いイベントとなり、メディアでは「モンスターエルニーニョ」「ゴジラエルニーニョ」などと騒がれました。関連して、昨年の世界全体の地表気温は記録を大きく更新し、15年程度続いた地表気温上昇の停滞、いわゆる温暖化のハイエイタス現象が終わるのかどうかが注目されています。まだ結論の出ていない問題を含みますが、これら温暖化とエルニーニョ現象の関わりについて、最近の研究から見えてきたことを紹介します。

13:30~14:30 気象庁におけるエルニーニョ現象の監視と予測 安田珠幾(気象庁)
気象庁では、エルニーニョ現象の監視及び予測を実施しており、その内容を「エルニーニョ監視速報」として毎月10日頃に発表しています。本講義では、気象庁におけるエルニーニョ現象の監視・予測業務及び最新の予測について解説します。

14:30~15:30 エルニーニョ現象衰退後の夏季異常気象 小坂優(東京大学先端科学技術研究センター)
典型的なエルニーニョ現象は12月頃に最盛期を迎え翌夏を迎える前に消失しますが、その影響はインド洋・北西太平洋で持続し、日本列島を含むアジアの広い範囲に夏の異常気象をもたらすことが近年明らかになってきました。その影響、メカニズムや予測について最新の知見を交えて解説します。

■ 7月31日(日)

10:00~11:00 エルニーニョ現象に関する海洋観測 佐藤佳奈子(海洋研究開発機構)
エルニーニョ現象の実態把握のため、海洋観測ブイが太平洋赤道域に展開され、20年以上に亘り監視を続けています。最近では、海洋観測ロボット(アルゴフロート)による観測が熱帯海洋の監視体制を刷新しようとしています。最新の観測網を紹介し、そこから明らかとなってきたエルニーニョ現象の描像についてお話します。

11:00~12:00 エルニーニョ現象と北極振動 田中博(筑波大学計算科学研究センター)
地球温暖化が進行する中、中緯度では寒い冬が頻発しています。その背景にあるのが北極振動です。異常気象をもたらす現象として、南のエルニーニョ現象と並んで最近注目されている北の北極振動について解説します。

13:30~14:30 エルニーニョ現象が社会経済活動に与えた影響 田家康(日本気象予報士会)
エルニーニョ現象は異常気象を引き起こし、人々の歴史に大きな影響を与えてきました。20世紀後半以降の歴史からこうした事例を振り返り、エルニーニョ現象が社会経済活動に与えてきた実態をお話します。

14:30~15:30 学習到達度試験(クイズ形式) 南利幸ほか(気象予報士)


■ これまで(第40回以降)の夏季大学のテーマ
第54回 2020年8月22・23日 雲の科学
第53回 2019年8月3・4日 降雪・積雪予測と雪氷防災の最前線
第52回 2018年8月4・5日 浸水・洪水予測と気象防災の最前線
第51回 2017年7月29・30日 新世代の衛星が切り開く新しい気象の世界
第50回 2016年7月30・31日 エルニーニョ現象と異常気象
第49回 2015年8月1・2日 地球温暖化入門
第48回 2014年8月2・3日 ザ・竜巻
第47回 2013年7月27・28日 台風学の最前線
第46回 2012年8月5・6日 北極温暖化と異常気象
第45回 2011年8月6・7日 気象観測技術の最前線(2)
第44回 2010年8月7・8日 気象観測技術の最前線
第43回 2009年8月1・2日 顕著現象の解析
第42回 2008年8月2・3日 気象のシミュレーションⅢ
第41回 2007年8月4・5日 気象のシミュレーションⅡ
第40回 2006年8月5・6日 気象のシミュレーション
過去の夏季大学 開催一覧(PDF)