夏季大学2017

第51回夏季大学

テーマ:新世代の衛星が切り開く新しい気象の世界

日時:2017年7月29日(土)~30日(日)
場所:気象庁講堂(東京都千代田区大手町1-3-4)
定員:100名程度
参加費用:一般5000円 学生3000円


講義内容と時間割

今回のテーマは「新世代の衛星が切り開く新しい気象の世界」です.静止気象衛星「ひまわり8号」は最先端の観測技術を有する放射計 (AHI) を搭載し,米国や欧州などの他の次世代静止気象衛星に先駆けて2015年7月7日より運用を開始し,国際的にも注目されています.また,国内外では各国で極軌道衛星の開発も進められており,最先端の科学的知見が蓄積されつつあります.このような背景から,今回の夏季大学では「新世代の衛星」をキーワードとして,近年の衛星観測より明らかとなってきた最先端の科学的知見を基にした幅広い内容について,専門家の皆様から講義を行っていただく企画にしました.

※講義の題名は変更となる場合があります。要旨は7月上旬に公開します。

■ 7月29日(土)

09:40~09:45 開講挨拶

09:45~10:00 講師と夏季大学の概要紹介

10:00~11:00 静止気象衛星ひまわり8号・9号の概要  野中健一(気象庁気象衛星センター)
昨年11月に打ち上げられた静止気象衛星ひまわり9号が今年3月から待機運用を開始し、現在はひまわり8号と9号の2機体制で常時地球を観測しています。本講義では、大きく観測の能力が向上したひまわり8号・9号の性能や衛星画像の特徴などについて概要を説明します。

11:00~12:00 ひまわり8号衛星データの予報現業での利用  永山隆治(気象庁)
2015 年 7 月 7 日より運用開始となった新衛星(ひまわり 8 号)は、これまでのひまわり 6 号・7 号に比べて、多チャンネル化、高解像度化、高頻度化等が図られています。これらの新しい情報が予報の現場でどのように利用されているかについて解説します。

13:30~14:30 ひまわり8号データの台風解析での利用  西村修司(気象庁)
2015年7月7日より運用開始となったひまわり 8 号データの台風解析での利活用について説明する。

14:30~15:30 衛星観測による黄砂や大気エーロゾルの監視と予測への活用  田中泰宙(気象庁気象研究所)
ひまわり8号等の衛星による黄砂やエーロゾルの観測とその予測への利活用について説明する。

■ 7月30日(日)

10:00~11:00 衛星からの雪氷観測(Terra/Aqua MODIS,GCOM-W,GCOM-C,ひまわり8号) 堀雅裕(宇宙航空研究開発機構)
近年の地球温暖化の進行を象徴する出来事として,北極域の海氷・積雪域の面積縮小が続いている。本講演では,1970年代後半から始まった人工衛星による地球観測の結果から見えてきた雪氷圏変動の様子を,実際の観測画像をご覧いただきながら解説するとともに,ひまわり8号の高頻度観測映像や打上げ間近の日本の地球観測衛星の紹介を交えながら,雪氷圏観測の最新情報をお伝えする。

11:00~12:00 衛星からの降水観測(GPM、GSMaP、GCOM-W) 久保田拓志(宇宙航空研究開発機構)
全球の降水をより高精度・高頻度に観測する衛星計画として日米共同で開発が進められ、主衛星が2014年に打上げられた全球降水観測計画(GPM)を中心に、衛星降水観測の基礎知識、最新の観測技術、最近の観測結果・利用事例について解説します。

13:30~14:30 温室効果ガス等の観測(GOSAT)  横田達也(東洋大学/国立環境研究所)
地球温暖化が気象の極端事象や自然災害の頻発をもたらします。地球全体の二酸化炭素やメタン等の温室効果ガス濃度分布とその変動を監視し、それらの吸収・排出量の推定に役立てている新世代の衛星観測について、日本の衛星「いぶき」(GOSAT)を中心に、世界の衛星観測の概要と主要な成果、今後の動向について紹介します。

14:30~15:30 衛星がとらえた美しい映像の数々~球面投影による観測映像のデモンストレーション~


■ これまで(第40回以降)の夏季大学のテーマ
第55回 2021年8月21・22日 海洋と日本の気象・気候~観測から予測まで~
第54回 2020年8月22・23日 雲の科学
第53回 2019年8月3・4日 降雪・積雪予測と雪氷防災の最前線
第52回 2018年8月4・5日 浸水・洪水予測と気象防災の最前線
第51回 2017年7月29・30日 新世代の衛星が切り開く新しい気象の世界
第50回 2016年7月30・31日 エルニーニョ現象と異常気象
第49回 2015年8月1・2日 地球温暖化入門
第48回 2014年8月2・3日 ザ・竜巻
第47回 2013年7月27・28日 台風学の最前線
第46回 2012年8月5・6日 北極温暖化と異常気象
第45回 2011年8月6・7日 気象観測技術の最前線(2)
第44回 2010年8月7・8日 気象観測技術の最前線
第43回 2009年8月1・2日 顕著現象の解析
第42回 2008年8月2・3日 気象のシミュレーションⅢ
第41回 2007年8月4・5日 気象のシミュレーションⅡ
第40回 2006年8月5・6日 気象のシミュレーション
過去の夏季大学 開催一覧(PDF)