夏季大学2020

第54回夏季大学

テーマ:雲の科学

日時:2020年8月22日(土)~23日(日)
開催形態:オンライン開催
主催:日本気象学会 教育と普及委員会
後援:気象庁、日本地学教育学会、気象業務支援センター、日本気象予報士会
定員:450名
参加費用:無料
申し込み:終了
(注)申し込み多数により、ウェビナーの上限を引き上げました。
・定員に達したため、申し込みを終了しました。これまでに問い合わせのあった方に対しては個別に対応致します。(8/5 15:00)
・申し込みが上限に達する可能性があるため、申し込みを一時停止します。重複申し込みの確認をします。(8/5 9:00)
・当初予定枠(450名)を超えるものについては、両日とも受講する方を優先して登録させていただきます。両日参加する方は、その旨を自由記述欄にご記入ください。(8/4 18:00更新)
申し込みに関する問い合わせ(教育と普及委員会 夏季大学担当):msj-ed_2020@metsoc.jp


■ 趣旨
今回の夏季大学のテーマは「雲の科学」です。近年、広範囲に甚大な被害を及ぼす気象災害が相次ぎ、台風や短時間強雨等に関連した研究が盛んに進められています。特に、雲の発生や降水現象に及ぼすメカニズムは複雑であり、未解明な点も多く残されています。一方で、雲は地球温暖化予測のためにも重要な役割を果たし、気候変動にも大きな影響を及ぼします。このような背景から、今回の夏季大学では「雲」をキーワードにして、近年の最先端の研究による科学的知見や観測・予測・防災の幅広い観点から、専門家の皆様から講義を行っていただく企画にしました。

■ オンライン講義プログラム
※講義の題名は変更となる場合があります。
※要旨、予稿を掲載しました。(8/6 18:00)
◇8月22日(土)

  • 10:50~11:00 開講挨拶、概要説明
  • 11:00~12:00 「雲科学入門」 荒木健太郎(気象庁気象研究所)
    • 雲は空を見上げればほとんどいつも出会うことのできる、身近な大自然である。天気は雲によって左右され、私たちは雲とともに生きているといっても過言ではない。雲は大気光象を通して空を彩り、私たちに感動を与えてくれるが、時として気象災害をもたらす原因となることもある。本講義では、まず雲の基礎的事項から科学的な楽しみ方、雲による大気光象等の仕組みを解説する。その上で、気象災害をもたらす雲の実態について紹介したい。
  • 13:00~14:00 「雲・降水の数値シミュレーション」 橋本明弘(気象庁気象研究所)
    • 雲・降水の予測や再現、メカニズム解明のために、数値シミュレーションは様々な場面で用いられています。数値シミュレーションの原理を簡単に説明した上で、その特徴や利点を、雲・降水の研究事例を交えながら解説します。

◇8月23日(日)

  • 11:00~12:00 「地球温暖化における雲の役割」 小倉知夫(国立環境研究所)
    • 今後100年間の地球温暖化を予測する際、避けて通れない課題が、温暖化に伴う雲の変化を予測することです。雲の変化を予測するにはどのような困難が伴うのか、また、その困を世界各国の研究者がどのように克服しようとしているのか、一端をお伝えできればと思います。
  • 13:00~13:30 「美しい雲の世界」(録画) 武田康男(写真家、気象予報士)
    • 私がこれまでに撮影したいろいろな雲の映像を流し、その時の様子を解説します。さまざまな場面での雲の実態(形態や変化など)を動画を中心に見て、雲の美しさを感じ、新たな雲の世界を知ることができるでしょう。
  • 13:30~14:00 学習到達度試験 南利幸(気象予報士)
  • 14:00~14:10 閉講挨拶

オンライン講義受講方法
オンライン講義はZoomウェビナーを利用します。受講にはZoomウェビナーを利用可能な環境が必要となりますので、事前の準備をお願いします。開催アドレスは参加登録いただいた方に個別にご連絡いたします。

■ 動画やスライド資料による講義
※講義の題名は変更となる場合があります。
※要旨、予稿を掲載しました。(8/6 18:00)
※動画・講義スライドの場所は、当日、受講者に別途メールで連絡致します。

  • 「静止気象衛星による雲解析とRGB合成画像」 志水菊広(気象庁)
    • テレビの天気予報などでおなじみの方も多いひまわりの衛星画像ですが、少し詳しく見ると雲をはじめ様々な現象を解析することができます。本講義では衛星画像による雲解析技術のお話とともに、ひまわり8号・9号の多バンドによる観測性能を生かした「RGB合成画像」による雲の事例をご紹介します。
  • 「レーダーによる降水雲の3次元観測」 岩波越(防災科学技術研究所)
    • 集中豪雨や局地的大雨に代表される災害につながる激しい現象の多くは積乱雲に伴って生じており、その時間的・空間的スケールが小さいために予測は難しく、精度の向上が求められています。積乱雲の構造や発生・発達・衰弱の過程、組織化の過程の観測が可能な気象レーダーは、予測技術の高度化、検証のためにも有効な機器です。防災科研の最新の取組を含め、在来型レーダーからマルチパラメータ・フェースドアレイレーダーまで、気象レーダーの機能の進化とともに可能になった観測、予測技術と防災に関わる取組を紹介します。
  • 「鉄道における雨・風・雪対策」 鈴木博人(東日本旅客鉄道株式会社)
    • 鉄道では、雲に起因した気象現象である雨、風、雪などから列車の安全を確保するために、さまざまな対策を実施してきました。鉄道における雨、風、雪に対するソフト対策を中心に現在の方法や近年開発した方法の概要について、防災対策の効果を検証した事例を交えながら紹介します。また、鉄道における気象観測記録を用いた研究成果についても紹介します。

■ これまで(第40回以降)の夏季大学のテーマ
第55回 2021年8月21・22日 海洋と日本の気象・気候~観測から予測まで~
第54回 2020年8月22・23日 雲の科学
第53回 2019年8月3・4日 降雪・積雪予測と雪氷防災の最前線
第52回 2018年8月4・5日 浸水・洪水予測と気象防災の最前線
第51回 2017年7月29・30日 新世代の衛星が切り開く新しい気象の世界
第50回 2016年7月30・31日 エルニーニョ現象と異常気象
第49回 2015年8月1・2日 地球温暖化入門
第48回 2014年8月2・3日 ザ・竜巻
第47回 2013年7月27・28日 台風学の最前線
第46回 2012年8月5・6日 北極温暖化と異常気象
第45回 2011年8月6・7日 気象観測技術の最前線(2)
第44回 2010年8月7・8日 気象観測技術の最前線
第43回 2009年8月1・2日 顕著現象の解析
第42回 2008年8月2・3日 気象のシミュレーションⅢ
第41回 2007年8月4・5日 気象のシミュレーションⅡ
第40回 2006年8月5・6日 気象のシミュレーション
過去の夏季大学 開催一覧(PDF)